カレー激戦区として知られ知られる「高田馬場」駅と、そこから早稲田通りで東西線「早稲田」駅へとつながる「高田馬場・早稲田」エリア。
カリーライス専門店「エチオピア」や、スリランカカレー「アプサラ」など、個性豊かな名店が集結している。
そのなかで、2020年10月にオープンした「四次元食堂」は、本格的な南インド料理と独特のコンセプトで注目されている。
南インドのミールス(※1)をベースとして、日本の定食スタイルで世界のおかずを提供しているのだ。
「四次元食堂」を一人で切り盛りする店主は、イタリアでの料理修行と都内洋食店での勤務を経て、イタリアンバルを経営。
その後に南インド料理の名店「エリックサウス」でも学ばれたとのこと。
メニューから感じるそのこだわりと本格的な味わいをご紹介したい。
※1.ミールス プレートに米を主食として複数のカレーや副菜、スープなどを盛り付けた南インドの定食。
「四次元食堂」の場所はこちら
店は早稲田通り沿い。高田馬場駅と早稲田駅のほぼ中間に位置する。
高田馬場から早稲田に向かうと、通りの左手側にある白いビルだ。
入り口は少し奥まっていてパッと見だと分かりにくいので、気を付けていただきたい。
入り口はこちら。店名とロゴが描かれた暖簾が目印になる。
「四次元食堂」店内へ
コの字型になったカウンターに8席が設けられ、両側の壁にはキャンバスアートが飾られている。
センス良くスッキリして清潔な店内は、女性を誘っても喜ばれそうだ。
メニュー選びに迷う
本日のメニューはこちら。
ターメリックライスとバスマティライス(※2)、サンバル(※3)、ラッサム(※4)、サラダが基本となり、小鉢と好みでセレクトできるカレーの数で値段が変わるシステムだ。
ターメリックライスとバスマティライスが、デフォルトで両方とも食べられるのはうれしい。
最近人気を増しているビリヤニも気になる。
この日は珍しい「ラクレットチーズのビリヤニ」に好きなカレー1種付きと、かなり惹かれる。
ホタルイカのアチャール(※5)も美味しいと評判だ。キッシュやテリーヌとカレーのセットも食べてみたい。
大いに迷いながら、今日はおすすめの「四次元ミールス」をお願いする。
そして次はカレー選びだ。
「サバのキーマ」は食べたいから決まりとして、もう1種類を迷う。
「赤ワイン風味のビーフキーマ」だと、「サバのキーマ」とキーマかぶりになるし、サンバルはもともとセットに入っているようだ。
また激辛について店主に聞いてみると「本当に激辛です。」とのこと。
辛いのは好きだが、今日はしっかり味わいたい。
ここは、「サバのキーマ」と定番と思われる「南インド風チキンカレー」でお願いしよう。
料理が運ばれてくる前の時点で、既に何度も足を運びたくなった。
メニュー選びが楽しいお店は素敵なお店だと思う。
※2. バスマティライス 細長くてパラパラしたインディカ米。繊細で優れた香りが特徴。バスマティは、ヒンディー語の「香りの女王」という意に由来する。 ※3.サンバル 豆と野菜のサラッとしたカレー ※4.ラッサム 南インドで日常的な黒胡椒のスープ ※5.アチャール 野菜や果物等を酢、塩、スパイスで漬けたインドの漬物。
到着!四次元ミールス
到着した四次元ミールス。
日本米を使用したターメリックライスと芳しいバスマティライス。そして周りに並ぶおかず達。
インド料理で一般的なターリー(ステンレスの大皿)の上にカトリ(小皿)が並ぶのではなく、お膳に和食器で提供してくれるところに、“定食”・“食堂”としてのこだわりを感じる。
和食器の柄がひとつひとつ違っているのも楽しい。
カレーは左から、インド風チキンカレー、サバのキーマカレー、サンバル、ラッサムだ。
その下には野菜の小鉢とアチャールが並ぶ。
このアチャールもさっぱりしてスパイシーで、つまみにして飲んでみたい。
そしてドレッシングがかけられたサラダがついて、ライスはおかわりも可とのこと。
ここも食堂らしい。
店主からは「カレーも小鉢も全部ご飯にかけて混ぜながら食べて下さい。」とのことだが、せっかくなのでまずは少しずつ楽しんでみたい。
スパイス芳醇なチキンカレー
まずはゴロっとしたチキンが入った「南インド風チキンカレー」から。
南インドらしいサラッとしたカレーがライスに絡み、口に入れるとスパイスが豊かに香る。
辛さは控え目なので、辛いものが得意でない人でも安心して食べられそうだ。
サバ感が美味しいサバのキーマ
次に「サバのキーマ」をいただく。たっぷりのサバが嬉しい。
フィッシュ系のカレーはもともと好きだが、このサバカレーは特に美味しい。
サバの食感や香りがスパイスとマッチして、しっかりした旨みと食べ応えを感じる。
そう言えば、「エリックサウス」総料理長の稲田俊輔さんが書かれたレシピ本にも、最初にサバのカレーが出ていた。伝統の味なのだろうか。
続くラッサムとサンバルは、どちらもサラッとしてスープのよう。
野菜の旨味にスパイスの香りと酸味が加わるラッサムも、トマトの酸味とスパイスがマッチしたサンバルも、どちらも単体でもずっと飲みたい美味しさだ。
ミールス戦隊 集合!
最後にアチャールも合流しすべてが一体となったカレーを、少しずつ混ぜながら食べる。
次はここを食べてみよう。次はこことここを混ぜてみよう・・・ひと口ごとに変わる味わいが楽しい。
辛さは強くないのだが、スパイスが効いていつの間にか汗をかいている。
途中サラダで口の中をさっぱりさせつつ、味の変化を楽しみながら食べ進む。
最初はけっこうなボリュームに思えたこの定食。いつの間にか食べきってしまった。
四次元の住人になりたい!
独特のこだわりと本格的な美味しさで“定食”を提供する「四次元食堂」。
店を出た帰り道に、もう次に訪れることを楽しみにしている。
さしあたって、次はビリヤニを食べよう。アラカルトとお酒も楽しみだ。
「四次元食堂」店舗概要
- 住所:
東京都新宿区西早稲田3-19-1 - 電話番号:
非公開 ※予約、問い合わせは公式LINEから - 営業時間:
【ランチ】11:00−14:30 (14:30まで入店可)
【ディナー】17:00−21:30(L.O 21:00)
※現在(2021年5月時点)
平日11:00~17:00
土日11:00~14:30/17:00~20:00(L.O 19:30)
(アルコール提供はなし) - 定休日:火曜日
- 詳細は「四次元食堂」公式HP、および、「四次元食堂」公式LINEにてご確認ください。
※写真は筆者撮影