
2月17日は 「電子書籍の日」 。これは総合電子書籍ストア「BookLive!」が2011年2月17日にサービスを開始したことを記念し、株式会社BookLiveが制定した記念日である。電子書籍 の認知度を高め、利用を促進し、市場の拡大とともにより豊かな読書体験を提供することを目的としている。
今回は、この「電子書籍の日」にちなんで、電子書籍、特に電子コミックに関するさまざまな情報や、いま話題の人気作品をまとめてみた。ぜひ最後まで読んで、お気に入りの一冊を見つけてみよう!
電子書籍市場は今や巨大産業!
いわゆる「コロナ禍特需」で一気に成長した 電子書籍 市場。昨年度(2023年度)の市場規模は 6,449億円※※に達したと推計されている。

市場規模と言われてもピンとこないかもしれないが、たとえば フィットネス市場や中古住宅リフォーム市場、産業用ロボット市場 がそれぞれ 約6,500億円 なのだ。これを考えると、電子書籍も一部の人だけが利用するニッチなサービスではなく、社会に大きな影響を与える 立派な産業 といえる。
そんな コロナ禍で急成長を遂げた電子書籍市場 だが、2023年5月に 新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行 したことで、世の中はコロナ禍以前の生活にほぼ戻った。その影響もあり、電子書籍市場の成長スピードはやや落ち着いたようだ。それでも 2024年度には6,765億円に拡大 し、2028年度には8,000億円を超える との予測が出ている。
電子書籍の利用は9割が電子コミック!
そんな急成長を遂げる 電子書籍市場 だが、その 約9割が電子コミック で占められている。2023年度の 電子書籍市場規模6,449億円 のうち、電子コミック は 前年度から448億円増加し、5,647億円(市場シェア87.6%) に達した。

一方で、文芸・実用書・写真集などの「文字もの」 は 8億円減少の593億円(市場シェア9.2%)、雑誌は17億円減少の209億円(市場シェア3.2%) と、電子コミック以外の分野は縮小傾向 にあるようだ。
電子コミック が年々拡大する一方で、文字もの が縮小する理由としては、① 文字ものは電子ではなく紙で読みたい人が一定数存在すること、② 活字離れや動画・SNSの台頭、③ 読み放題サービスの影響、④ コロナ禍収束による読書時間の減少 などがあるようだ。
確かに、移動時間や待ち時間にあわせて 1話ずつをサクッと読めるコミック は 電子書籍に向いている が、実用書はじっくり読みたい し、小説はその世界観に没入したい。雑誌も ニュースサイトやSNSでの情報収集で代用している人も多そうだ。
※株式会社インプレス( https://www.impress.co.jp/)が2024年7月に発表のプレスリリースより。
※※電子書籍の市場規模の定義:電子書籍を「書籍や雑誌に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」とし、配信された電子書籍(文字もの、電子コミック、写真集、電子雑誌等)の日本国内のユーザーにおける購入金額の合計を市場規模と定義。月額定額制の利用料金やマンガアプリの課金額も含む。スマートフォンの縦スクロールで読むことに最適化された作品も含む。ただし、電子新聞や、教科書、企業向け情報提供、ゲーム性の高いもの、学術ジャーナルは含まない。また、ユーザーの電子書籍コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトやアプリ上の広告も含まない。
電子コミックユーザー約1万人が回答!利用実態調査
そんな成長を続ける 電子コミック市場 。みんなはどんな使い方をしているのだろうか?
オリコン(株式会社oricon ME)が 電子コミックサービスユーザー9,113人 を対象に実施したアンケート調査(2024年10月発表)によると、利用実態に関する興味深いデータが明らかになった。
📌 電子コミックサービス、課金派?無課金派?

現在、電子コミックサービスを有料で利用している人の割合は41.6%。2023年の38.6%から3.0ポイント増加 しており、徐々に課金派が増えている。
年代別では、10代・20代・40代・60代以上 の幅広い年代で 有料でマンガを読む人が増加 しており、特に 20代(+5.7pt)、60代以上(+5.8pt) で大きく増えている。
📌 いくらぐらい課金している?

最も多い課金額は「1,000円~2,000円未満」(13.9%)。ただし、月3,000円以上課金しているユーザーも全体の33% に達し、意外と課金している人が多い ことがわかる。
全体としては少数派だが、それでも 50人に1人は30,000円以上の課金経験 があるという。まとめ買いなどでこの金額に達するケースもあるのかもしれない。
📌 電子コミックアプリ、何種類くらい使っている?

電子コミックサービス利用者の約72%が複数のサービスを併用 している。 無料利用者では 「4つ以上併用」 が最多(35.6%)であるのに対し、有料利用者では 「1つだけ利用」(32.5%) が最多となっている。
この結果から、無料利用者は有料利用者に比べて、複数のサービスを併用する傾向が高い ことがわかる。 ただ、全体としては 有料利用者の67.5%、無料利用者の74.5% は 複数の電子コミックサービスを利用 しており、複数利用が大半を占めているのは、有料・無料問わず共通しているようだ。
📌 紙派と電子派、それぞれの好む理由
紙派と電子派、それぞれがどんな理由で選んでいるのだろうか。実際にどのようなポイントが決め手になっているのか、その違いを詳しく見てみよう。
📖 紙派の理由

紙派は「実際にページをめくる感覚を楽しみたいから」(48.1%)が最多となった。他にも、7位の「紙のにおいや手触りが好きだから」(24.5%)、8位の「ページをめくる動作が好きだから」(18.5%)などがあり、情緒的な理由で好まれる傾向があるようだ。
また、2位の「書棚に並べてコレクションしたいから」(41.0%)、3位の「物としての所有感や本の質感を大切にしているから」(40.8%)、9位の「限定版や特典を集めたいから」(14.7%)のように、所有することの満足感やコレクション的な理由 も大きいことが見て取れる。
📱 電子派の理由

一方、電子派では「一台のデバイスで大量のマンガを持ち運べるから」(67.1%)が最多となった。続いて2位の「すぐに購入でき、どこでも気軽に読めるから」(66.8%)、3位の「家のスペースを節約できるから」(64.5%)が上位に入った。そのほか、4位には「電子書籍限定の割引やセールを利用できるから」(35.7%)、5位には「試し読みができるから」(34.4%)も理由として挙げられ、手軽さや利便性、コスト面 などの実用的な側面に魅力を感じる人が多いようだ。
📌 電子コミックの利用頻度

「電子コミックサービスでマンガを読んでいる頻度(単一回答)」について聴取したところ、「ほぼ毎日」が45.1% で最多だった。次に「週に2~3日」(23.9%)、「週に4~6日」(15.8%)、「週に1日」(15.1%)が続いている。電子コミックの利用はすっかり生活の一部になっていることがうかがえる。
「2024年 オリコン顧客満足度®調査 電子コミックサービス 利用実態データ」より 発表日:2024/10/01、調査主体:株式会社oricon ME、調査方法:インターネット調査、サンプル数:9,113人(総合型・出版社の合計)、調査期間:2024/06/03~2024/06/17、調査対象者 性別:指定なし 年齢:15~79歳 地域:全国 条件:電子コミックを週に1回以上閲覧している人 ただし、試し読みは対象外とする、URL: https://life.oricon.co.jp/rank-manga-apps/
電子コミックの人気タイトルをチェック!「Renta!」2024年ジャンル別総合・新作売り上げランキング!

今どんなタイトルが人気なのか、電子コミックサービス「Renta!」が発表した2024年の総合・新作ランキングをチェックしてみよう。
「Renta!」は、累計会員数は950万人突破、レンタル可能なコミックスは45万冊以上、購入可能なタイトルは115万冊以上と、業界最大級のラインナップを誇る。また、27,000冊以上のマンガが無料で楽しめるのも大きな魅力だ。
2024年の年間ランキングでは、各ジャンルの人気作品が続々とランクインしている。

少女漫画 総合売り上げランキング
🥇 1位 『聖女なのに国を追い出されたので、崩壊寸前の隣国へ来ました~力を解放したので国が平和になってきましたが元の国まで加護は届きませんよ~【フルカラー】』 (発行:Renta!コミックス)
🥈 2位 『どうせ捨てられるのなら、最後に好きにさせていただきます』 (発行:一迅社)
🥉 3位 『子育て令嬢、真実の愛売ります!』 (発行:Renta!コミックス)
少女漫画 新作売り上げランキング
🥇 1位 『拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます』 📖(発行:KADOKAWA)
🥈 2位 『心を閉ざした公爵閣下と婚約したはずなのに、なぜか大切にされてしまってます!』 ( 発行:マイクロマガジン社)
🥉 3位 『婚約破棄ですか? 私の婚約者はちゃんと別にいて、あなたではないのです。』 (発行:文藝春秋)
少年漫画 総合売り上げランキング
🥇 1位 『転生したらスライムだった件』 (発行:講談社)
🥈 2位 『葬送のフリーレン』 ( 発行:小学館)
🥉 3位 『呪術廻戦』 (発行:集英社)
少年漫画 新作売り上げランキング
🥇 1位 『悪人面したB級冒険者 主人公とその幼馴染たちのパパになる』 (発行:KADOKAWA)
🥈 2位 『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』 ( 発行:SBクリエイティブ)
🥉 3位 『俺以外誰も採取できない素材なのに「素材採取率が低い」とパワハラする幼馴染錬金術師と絶縁した専属魔導士、辺境の町でスローライフを送りたい。』 (発行:KADOKAWA)
青年漫画 総合売り上げランキング
🥇 1位 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』 (発行:小学館)
🥈 2位 『片田舎のおっさん、剣聖になる』 (発行:秋田書店)
🥉 3位 『薬屋のひとりごと』 (発行:スクウェア・エニックス)
青年漫画 新作売り上げランキング
🥇 1位 『魔法医レクスの変態カルテ』( 発行:新潮社)
🥈 2位 『ファミレス行こ。』 (発行:KADOKAWA)
🥉 3位 『ニセモノの錬金術師』 (発行:KADOKAWA)
そのほかのジャンルのランキングも充実!
「Renta!」では、BL・TL・タテコミ・ノベルなどのランキングも公開している。その他のジャンルや、今回紹介したジャンルの4位以降が気になる際は、「Renta!」公式HPの「【Renta!】2024年総合・新作ランキング」でチェックしてみよう。
ますます広がる電子コミックの世界!お気に入りを探してみよう!
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※画像は関連プレスリリース、フリー画像より
※2025年2月時点の情報。